犬の腸閉塞

先日は梅の種を内視鏡で摘出して手術を回避できた犬の例を紹介しましたが、今回は運悪く腸閉塞を起こして手術になった犬について紹介します。昨日から吐いて食欲がないという事で来院した3才のチワワさんです。真っ先に行った腹部の超音波の検査ですぐに異常所見がみられます。小腸の中に液が溜まっており、腸閉塞を疑う所見です。血液検査でも腸閉塞を疑う所見がありました。検査の結果、来院の1時間後には手術室に入り、無事に異物の摘出を行いました。異物は胃の中に長く留まって変質していましたが、スーパーボールの破片のようでした。チワワさんは数日をかけて元気を取り戻し退院していきました。腸閉塞は待てば待つだけ悪くなる病気で放置しておくと高い確率で死んでしまいます。以前は半日をかけてバリウム検査をして確認していましたが、超音波検査機器が高性能になったため、随分とスピーディーに診断ができるようになりました。
 
かつて自然で暮らしていた犬の先祖は獲物を探して追跡し捕え、さらに長時間かかって皮を裂いて肉を食べることに1日の大半を費やしていました。ヒマな時間などなかったのです。現代の犬は決まった時間になるとドッグフードを与えられ一瞬で食べてしまい、その後の膨大な時間を持て余して暮らしています。興味のあるものをかじってみたり、食べてみたりするのも当然のことです。また、人と暮らすまではグニグニと柔らかいけれど消化できずに詰まってしまうものなんて、身の周りになかったはずです。こればっかりは人間が気を付けてあげるしかありません。
 
ちなみに、病院のさんごも先日、処置用のプラスチック手袋を食べてしまいました。幸い吐かせる処置で回収して事なきを得ました・・。