松江市西川津町4014
 TEL: 0852-25-9935 (診療時間内にお電話に下さい)

 もうり動物病院
MOHRI ANIMAL HOSPITAL

エキゾチックペットの診療

診療対象動物: ウサギ、フェレット、ハムスター、モルモット、チンチラなど

 犬や猫以外の動物を一般的にエキゾチックペットと呼びます。当院ではエキゾチックペットにも出来る限り対応させて頂こうと思います。診療対象は上記の動物が中心となりますが、一部の爬虫類などにも対応させて頂きます。鳥の診察も受け付けていますが「鳥の専門医」ではありませんのでご了承下さい。

 残念ながら猿や毒をもった動物の診察はスタッフの安全確保が困難のためお受けする事ができません。その他の動物については個別にお問合せ下さい。
 エキゾチックペットは詳しい検査や診察が必要な時にしばしば鎮静処置が必要となります。犬猫では麻酔をかけていいかどうかを検査をして調べるのが普通ですが、エキゾチックペットでは検査をするために麻酔をかけなければいけないの現状です。安全に診察するために必要なことですが、危険性がまったくない訳ではありません。詳しくは獣医師にお尋ね下さい。

ウサギの避妊去勢手術について

 エキゾチックペットの中で特に女の子のウサギは子宮出血や子宮腫瘍の発生などが多くみられる事から避妊手術を受ける事をお勧めしています(子宮疾患についてはケース紹介3参照 )。ウサギの子宮疾患は4歳頃から多発しますが、1歳程度の若齢でも発生がみられます。卵巣子宮摘出術を受ければそれらの発生を未然に防げますが、全身麻酔、入院のストレス、手術そのものの危険性などを乗り越える必要があります。
 全身麻酔の危険性は海外のデータでは犬猫が2000頭に1頭亡くなると言われているのに対してウサギは100頭に2頭と言われています。当院ではウサギは専用の喉頭マスクを使用し術中に血圧や二酸化炭素濃度、麻酔ガス濃度、酸素飽和度など犬や猫と遜色ないモニターを行うことが出来ますし呼吸停止の際には調節呼吸もできますので、成績は幸いな事にそれよりもはるかに良好です。それでもウサギは犬や猫に比べて心臓や肺の能力が低い為に麻酔の危険性が高いのは確かです。しかしながら、女の子のウサギにおける子宮疾患の発生率の高さと避妊手術の安全性を天秤にかけると、手術を受ける事をお勧めせざるを得ません。

 男の子のウサギは病気を防ぐ面では手術は必須ではないと考えます。もちろん精巣や男性ホルモンと関連した病気はあるのですが、発生頻度はそこまで高いわけではありません。ただし、ウサギは自然界においては一つの群れにオスが一頭が原則の動物ですので、群れに他のオスがいる事を許容できません。ですから、複数のオスウサギを飼うと場合によっては命に関わるような激しいケンカをします。また、ウサギも様々な場所に尿をするマーキングなどの行為をする場合が多いため、複数のオスウサギを飼う場合と、性ホルモンと関連した問題行動がある場合に去勢手術をお勧めしています。
 モルモット等の動物では避妊手術の安全性がさらに低いものとなるために、予防的な手術は現在のところお勧めしていません。病気になった場合に手術としています。

ウサギの全身麻酔について


当院ではウサギの麻酔の安全性を向上させる為にウサギの喉の中に設置する喉頭マスクを導入しており、相当数のウサギさんで使用しています。これまでは口を覆うマスクで麻酔をかける事がほとんどで、呼吸の有無は目でみて確認できましたが、炭酸ガス濃度や麻酔ガス濃度など呼吸の質は評価出来ませんでした。喉頭マスクを導入した後は犬や猫の麻酔と同様に炭酸ガス濃度や気道内圧、麻酔ガスの濃度などが測定できるようになり、これまで以上に安心して手術に臨めるようになりました。また、一般的な生体情報モニターではウサギの血圧を測定するのは難しいのですがPetMAPという動物用の血圧計を利用することで安定して血圧を測定できます。喉頭マスクや血圧計を利用する事によってウサギでも犬や猫の麻酔に近い安全性を確保出来るようになってきました。

当院に来院したエキゾチックペットの症例の一部をご紹介します。


ケース紹介16 モルモットの巨大子宮平滑筋腫

3歳の雌のモルモットがお腹が張ってきたということで来院しました。レントゲン検査と超音波検査で子宮に大きな腫瘍ができており本来、存在する消化管を圧迫していました。モルモットはウサギに比べてもさらにストレスに弱い動物であり、手術後に調子を崩すことも多い動物ですが、飼い主さんも悩まれた上で手術を選択されました。手術ではモルモットと同じくらいの巨大な子宮腫瘍が摘出されました。このモルモットさんは消化管の圧迫が取れて術後に食欲が増して良好に経過しました。病理検査では良性の子宮平滑筋腫でした。悪性度が高い腫瘍は巨大に成長する前に致命的な結果を招くことが多いため、このような巨大腫瘤は意外に良性のものが多く、チャレンジする価値があると考えています。


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ケース紹介15 ロップイヤーウサギの外耳炎

垂れ耳のウサギをロップ種と呼び、非常に愛らしいのですが、耳の形態的に通気性が悪く、難治性の外耳炎を患うことがあります。ウサギは感染症が起きた時には独特のチーズ状の膿が貯留し、抗生物質の投与を行ってもなかなか完治しません。ロップ種のウサギさんで難治性の外耳炎がみられた際には写真のような耳の手術をすることがあります。耳の穴を切開して広げる手術で通気が良くなり、膿が排出されやすくなることから外耳炎が治りやすくなります。すでに感染症がある場所を手術する関係上、キレイに治るまで時間がかかることがありますが、有効な治療法です。


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ケース紹介14 ハリネズミの子宮出血

数年前から飼育頭数の急増しているのがハリネズミさんです。全体的な年齢層が成熟してきた結果、よくみられる病気が変化してきているように感じます。このハリネズミさんは2歳9カ月の女の子で、突然の出血のために来院しました。ハリネズミでは子宮の病気が比較的多く、何の前触れもなく出血が起きます。麻酔下で超音波検査等を実施したところ、子宮に腫瘤が認められたために卵巣子宮の摘出手術を行いました。術後の経過は順調で出血も止まり、食欲も改善しました。摘出した子宮の病理検査は子宮内膜の過形成であり、腫瘍ではありませんでした。こういった子宮からの出血は時に大量になりますので、手術までの失血量によって生死が分かれることがあります。できる限り早く手術してあげることが必要です。


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ケース紹介13 ウサギの巨大な腹腔内膿瘍

他の動物病院でお腹の中に腫瘤があることを指摘されて、精密検査のために来院した8歳の雄のウサギさんです。レントゲン検査ではお腹の中で複数の球形の塊がブドウの房状に認められました。腫瘤の中は石灰化しています。他の動物では腫瘍を疑う所見ですがウサギは腹腔内膿瘍の発生率が高く、超音波検査やバリウム検査でもそれを示唆する所見でした。飼い主さんは悩んだ末に決心されましたので開腹手術に踏み切りました。お腹を開けるとやはり膿瘍を疑う所見でした。様々な臓器に癒着していましたが、ラジオ波メスやシーリング装置などの手術機器を駆使して何とか摘出することができました。摘出した膿瘍は体重の10%の大きさがありました。病理検査では腫瘍成分は含まれず、培養検査では嫌気性菌のアクチノミセスが検出されました。術後の回復は目覚ましく、食欲も術前より明らかに増して元気になりました。ウサギの麻酔環境が向上したために、以前よりも難度の高い手術も積極的に行えるようになったと感じます。


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ケース紹介12 フクロモモンガのペニス脱

1週間前からペニスが出っ放しになってしまって自分で踏んでしまっているとのことで1歳のフクロモモンガの男の子が来院しました。フクロモモンガはオーストラリアなどに生息する動物でカンガルーやコアラなど有袋類の仲間ですから、独特な体の仕組みを持っています。ペニスは何と二股に分かれています。フクロモモンガのペニスは時折脱出して戻らなくなってしまい、乾燥やうっ血で壊死してしまうことも珍しくありません。人工飼育下で性ホルモンに乱れが生じるのか、あるいは自然界でも起きることなのかは分かりません・・。治療はペニスが戻らなければ二股になっている部分を尿道を傷つけないように切除して、合わせて去勢手術を実施します。フクロモモンガは傷跡を噛む傾向がありますのでエリザベスカラーを装着します。一週間程度で傷も治り、元の生活に戻ることができました。


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ケース紹介11 リチャードソンジリスの骨髄炎

2週間前から足を痛がり使わないという事で4歳のリチャードソンジリスさんが来院しました。左後肢は腫れ上がって完全に使用できない状態でした。レントゲン撮影を行うと脛の骨が溶けてしまっていました。骨の腫瘍の可能性もあり、痛みの完全なコントロールも不可能でしたので断脚手術を実施しました。手術の翌日には3本足で俊敏に動き回るようになり、1週間後の再診では以前より確実に元気になったとの事でした。病理検査の結果は化膿性の骨髄炎で何らかの理由により感染を伴う骨折が起きたようです。脚を切る手術というと飼い主さんは当然悩まれますが、強い痛みがあってそれをコントロール出来ない場合は動物の命を救い、生活の質を上げるために決断が必要です。多くの動物は3本の脚で上手に歩きますし、手術をした方が明らかに表情も明るくなり、活動性も良くなります。


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