犬のトレーニング
動物病院では犬のしつけやトレーニングについて相談を受ける機会があります。でも、はじめに断っておきますと僕を含めた獣医師の大半はしつけやトレーニングの専門家ではありません。小児科のお医者さんが子供の教育の専門家ではないのに似ていると思います。もちろん、僕も一般の方よりは犬のしつけについて詳しいつもりですので、相談頂くのは歓迎です。また、誤解がないように補足するならば動物行動学を専門とする獣医師も少数いますし、そういった方々はドッグトレーナーと同等かそれ以上の知識を持っています。また、薬物を利用した問題行動の治療は獣医師だけに許された方法です。
残念ながら僕の飼っているゴールデンレトリーバーのさんごもトレーニングの行き届いた犬とは言い難い面があります。リードを引っぱりながら近所を散歩する姿は皆さんのお手本になるには程遠く、病院にいらした飼い主さんに対面すると嬉しさのあまり飛びついたり、挨拶しようとカウンターに飛び乗ったこともあります。
ただ、人も犬も大好きで怖いものも特にありません。長時間の留守番も何とか出来ます。ウサギのピチロと対面してもジッと見つめるだけで我慢する自制心もあります。病院の看板犬としては合格点と言えなくても家庭犬としては何ら問題を感じません。ちなみにさんごをドッグトレーナーさんにみてもらうと皆さん「訓練性能は高い」と言われますので飼い主(つまり僕)の性能が低いんでしょう。
さんごを飼い始めたのは名古屋にいた頃ですが、そこで知り合ったドッグトレーナーにトレーニングを指導して頂きました。自分よりも若いドッグトレーナーでしたが、気概のある青年で今でも専門家として信頼しています。
トレーニングと言っても預けて訓練してもらう訳ではなく、自宅やお店の中や近くの公園で歩行のトレーニングや家庭での様々な接し方について手本を見せてもらいながら教えてもらうものです。問題行動が起きてから訓練学校やドッグトレーナーさんに相談するより、仔犬の時期から犬との接し方を指導してもらう方が、その後の10数年に及ぶはずの犬との生活が幸せなものになる道だと思います。残念ながら、まだ病院から紹介できるほど地域のトレーナーさんとの連携が取れていないのですが、少しずつ協力体制を作っていきたいものです。
