ウサギの腹腔内膿瘍

他の動物病院でお腹の中に腫瘤があることを指摘されて、精密検査のために来院した8歳の雄のウサギさんです。レントゲン検査ではお腹の中で複数の球形の塊がブドウの房状に認められました。腫瘤の中は石灰化しています。他の動物では腫瘍を疑う所見ですがウサギは腹腔内膿瘍の発生率が高く、超音波検査やバリウム検査でもそれを示唆する所見でした。飼い主さんは悩んだ末に決心されましたので開腹手術に踏み切りました。お腹を開けるとやはり膿瘍を疑う所見でした。様々な臓器に癒着していましたが、ラジオ波メスやシーリング装置などの手術機器を駆使して何とか摘出することができました。摘出した膿瘍は体重の10%の大きさがありました。病理検査では腫瘍成分は含まれず、培養検査では嫌気性菌のアクチノミセスが検出されました。術後の回復は目覚ましく、食欲も術前より明らかに増して元気になりました。ウサギの麻酔環境が向上したために、以前よりも難度の高い手術も積極的に行えるようになったと感じます。