仔猫さんが上唇の脱毛のために来院しました。あまり痒みの強くない脱毛で眼の横にも同様の病変があります。ウッドランプという紫外線を照射する器具で観察すると脱毛部の毛が光って見えます。この光る毛を慎重に抜いて顕微鏡で観察するとカビの菌糸が見えます。これは皮膚糸状菌症というカビによる皮膚病です。猫がキャリアになるものもあれば、ネズミ類が保菌するもの、土壌中から感染するものなどがあります。カビを殺す薬を投与して2週間でやっと治癒してきましたが治療に反応するのに時間がかかるのも特徴です。カビによる感染症を迅速に正しく診断するのは難しいのですが、ウッドランプで光る毛を抜いて顕微鏡でみるという診断法は、ある有名な皮膚科専門医が講演で紹介していました。これを実践するようになってから明らかに診断率が上がったと感じています。
