椎間板ヘルニア

 冬は特に重症の動物が多く来院します。治療をしても満足な成果が得られない事もあり、ちょっとへこんでいましたが、昨日はうれしい事がありました。
 2月の初めに椎間板ヘルニアを発症して立てなくなり、当院で緊急手術をしたミニチュアダックスフンドさんが再診で来院し、待合室や診察室でヒョコヒョコと歩き回る姿を見せてくれました。高齢だったので再び立てるようになるかどうか心配でしたが飼い主さんのリハビリの効果もあって順調に回復し尻尾を振りながらうれしそうに歩くようになってくれました。飼い主さんが喜ぶ反応で犬もうれしくなって歩こうとするみたいです。
 椎間板ヘルニアは御存知のようにダックスフンドに多く発生します。犬の椎間板ヘルニアの多くは発症と同時に神経の麻痺まで起きてしまう事が多く、緊急で対処する必要があります。手術は病変の部位を確認した後、背骨の一部を除去して椎間板物質を除去しすると共に神経の圧迫を解除します。手術した瞬間に治るのではなく、神経の更なる障害を食い止めて回復を促す手術ですので、術後にリハビリが必要です。数日間で改善する事もあれば1年近くを要する例もあり、また神経の障害が重度であればそのまま立てないケースもあります。

 
椎間板ヘルニアの診断にはMRI検査やCT検査、脊髄造影検査が必要です。MRIやCTが撮影出来れば非常に精度が高いのですが県内で撮影できる動物病院は僕の把握する限りではありません。脊髄造影検査はある程度の技術と経験があれば通常の動物病院の設備で可能ですので、迅速に行う事ができます。一般的には発症してから治療までのスピードが回復するかどうかに影響すると言われていますから、可能な限り一般臨床家が対処するべき疾患と考えています。