骨髄内輸液

医療でも獣医療でも輸液(点滴)はとても重要で、脱水したり血圧が下がった動物に対して優先して行われるべき治療です。中でも血管に柔らかい針を留置して行う静脈内輸液は血液の量を直接コントロールして血圧を上げたり投与した薬を速やかに循環させたりなど、無くてはならない治療法です。 この治療を行うにはまず血管確保と言って、動物の細い血管の中に柔らかい針を入れる必要があります。獣医師は皆この技術を磨いており、犬や猫では滅多な事では血管を確保できないことはありません。けれども生後間もない仔猫やハムスターのような小さな動物では血管が針より細い事が多く静脈内輸液は困難です。
 そういった動物では皮下輸液といって皮膚の下に点滴の液を入れてあげて脱水を補正する方法がとられる事が多いのですが、その方法では薬の投与や血圧の改善は望めません。
 血管確保が難しい動物でも静脈内輸液と同等の治療効果が望める方法として骨髄内輸液があります。写真はイグアナとモルモットに骨髄内輸液を行っているところです。実は骨の中に入れた薬剤や輸液は血管に入れた場合と同じように作用すると言われているのです。血管確保に比べれば針を刺す時に痛みがありますから、軽い麻酔をかけて行うことが大半です。ハムスターやシマリスなどの小さな動物でも劇的な治療効果が望める事があり、動物病院でもっと積極的に使用するべき治療法であると考えています。