犬CRP検査が可能に!

今日もマニアックな話ですが・・・
 動物の調子が悪くなった場合や健康診断、手術前の検査などでは血液検査を行いますが、その中で血糖値や肝酵素、老廃物の量など血液中の様々な物質の量を調べる検査を血液生化学検査と呼びます。血液生化学の機械はいろいろなメーカーから製造されていますが、当院では冨士フィルムのドライケムという機種を使用しています。このドライケムという機械で犬のCRP(炎症性蛋白)という項目が測定できる試薬が最近発売され、やっと当院にも届きました。
 感染症や腫瘍や自己免疫疾患では、発熱がみられたり、血液中の白血球数が増加したりしますが、必ずしも病状と一致しないことがあります。犬の体温は直腸温を測るのが一般的ですが平熱が元々高めな上にちょっと興奮すると上がる事も多いので微妙な発熱の判断が難しいのです。特に初診の犬だと平熱が分からないので判断に迷います。
 CRPは体の中に炎症が起きた時に産生される蛋白質ですが、発熱が起こるような状況を正確に反映し、数字に表してくれます。CRPを測る事によって診断がつく訳ではありませんが、重症度の一つの目安になるのです。
 これまでは数十万円の投資をしてCRP専用の機械を導入するか、あるいは検査センターに外注して数日待つかしかありませんでした。重症度の判定に数日かかるというのはナンセンスなので、どちらかというと持続的な原因不明の発熱の場合だけ外注検査をしているのが現状だったのです。
 この機械で犬CRPが測れるようになるという噂は数年前からあったので、数社ある中から富士フィルムの機械を選び、CRP専用の検査機器の購入は見送っていました。検査用の試薬は厳格な審査を受けて厚生省(動物用は農水省)の承認をとる必要があり、それに随分時間がかかったようですが、これからは簡単に犬CRPを測定出来るようになりましたので日常の診療に活用できます。
 既に普及している機械に付加価値が与えられることによって、この瞬間に冨士フィルムが動物病院の現場を変えてくれたと言っても過言ではないと思います。冨士フィルムは半年前にも犬用のリパーゼ試薬を発売し、犬の膵炎の診断をスピーディーに変えてくれました。今後もこの路線を守って研究開発を続けて頂きたいものです。