治らない傷
突発性慢性角膜上皮欠損という病気があります。昔はボクサー潰瘍と言われていました。犬の眼の表面の透明な角膜に治りにくい傷が出来る病気で、メカニズムは解明されていません。中年齢のボクサーなどの犬種で起きやすい傾向があります。
角膜に傷がついている場合、緑色の色素で表面を染めて検出しますが、突発性慢性角膜上皮欠損の場合は色素で染まる辺縁がぼやけた形になるのが特徴です。浅い角膜の傷は適切な点眼治療をすると1週間程度で問題なく治る事がほとんどです。ところが突発性慢性角膜上皮欠損は角膜表面の皮がめくれて浮き上がり中途半端に覆った形になっているので、治る仕組みが上手く働かないんです。下手をすると一年くらい治らない事があるそうです。治療の大切なポイントは麻酔をかけて悪い組織を削る事です。悪い組織を削った後は縫合して眼を閉じた状態で2~3週間待ちます。上の写真は手術前の写真、下の写真が治った後です。この判断は出来るだけ速やかに行うべきだと思います。