犬の予防について

あなたの大切な家族である愛犬が病気にならずに快適に過ごせるように、そして社会の一員として認められるために毎年定期的にしてあげて欲しい事があります。

①混合ワクチン接種

仔犬の初めてのワクチンは生後45日から3週間隔で3回の接種をお勧めしています。
成犬で初めて接種するなら1カ月間隔で2回、
それ以降は毎年1回の追加接種をお勧めしています。


 犬ジステンパーウィルス感染症、犬パルボウィルス感染症、犬伝染性肝炎、ケンネルコフ、犬パラインフルエンザウィルス感染症、コロナウィルス感染症など犬から犬へ伝染する感染症を予防するワクチンです。また、地域の特性上ネズミや野生動物の尿が媒介し、腎障害や肝障害を起こすレプトスピラ感染症も警戒が必要です。
混合ワクチンをはやめに終えていろいろな経験をさせましょう。
当院では仔犬には生後6週齢から3週間毎に6種混合あるいは8種混合ワクチンの合計3回の接種をお勧めしています。屋外に行く可能性がある犬にはレプトスピラ感染症をカバーしている8種をお勧めしています。
 仔犬は生後4カ月くらいまでが精神的な成長に重要な時期です。この時期になるべく沢山の経験をさせる事によって人や他の犬に友好的で、苦手なものが少ない犬に成長することを促してあげることが出来ます。獣医師の立場上はワクチン接種が終わるまでは積極的に外に連れ出すことをお勧め出来ませんが、以前よりもワクチン接種を早く完了させることによって適切な社会化の機会を与えることができます。
 2年目以降は現在、8種ワクチン接種をお勧めしています。接種時期は最後のワクチン接種から1年毎になります。近年、海外ではワクチンの接種頻度を見直す動きもありますが、特にレプトスピラ感染症に関してはワクチンの効果が短く毎年の接種が必要です。接種は詳しくはお問合せ下さい。

ワクチンの副作用

 ワクチン接種には人のインフルエンザワクチンと同様に副反応の危険性があります。ハチに刺された時のようにアナフィラキシーショックという血圧低下が起きたり、時間がたってから顔が腫れたりすることもあります。以前にワクチンをうって調子を崩したことがある場合は必ず申告して下さい。また、ワクチン接種後に問題が生じた際に病院で充分な対処がとれるように、仔犬のワクチンは午前中の接種をお勧めします。
混合ワクチンの接種は任意ですが、毎年の接種がないと公共の場所への出入りやペットホテルの受け入れ、二次診療施設への受け入れに問題が生じることがあります。
 

②フィラリア予防

フィラリア予防は5月末までに血液検査を受けた上で飲ませ始めましょう。
松江市では6月〜12月まで月初めに合計7回の投与が必要です。


フィラリアの生活


 蚊が媒介するフィラリア(犬糸状虫)の存在はずいぶん認知されるようになってきましたが、この地域ではまだまだ普通にみられる病気です。フィラリアに感染した犬の血を吸血した蚊が、次に他の犬を吸血するとフィラリアの幼虫(L3幼虫)が感染します。体内に入ったフィラリアの幼虫は約半年かけてイヌの体の中を移動しながら成長し肺の血管に寄生し発咳、喀血、腹水貯留、重度の循環不全、血尿など様々な症状を引き起こします。
 フィラリアは幼虫の時期には非常に少ない量の薬で駆虫することが出来るのですが、血管の中に寄生した成虫を駆虫した場合、その死骸が血管に詰まってしまう危険性があるため、簡単に駆虫することは出来なくなります。予防するのは簡単ですが、治療するのは困難な病気なのです。

実際のフィラリア成虫

 フィラリアは感染期間(フィラリア感染の危険のある期間)の1カ月以内に投薬を開始し、感染期間終了後1カ月後まで投薬することでほぼ100%防ぐ事ができます。フィラリアの感染期間の始まりは「蚊が出始める時期」ではなく、「フィラリアの幼虫を持っている蚊が出る時期」です。これは各県での目安が毎年発表されていますが、松江市は5月中旬から感染期間になりますので、6月の初めからの投薬開始で充分です。感染期間は10月末前後まで続きますので、12月の最後の1回を忘れないように注意しましょう。
当院ではフィラリア予防薬として基本的に2種類の薬剤を用意しています。
①フィラリアと同時にノミとマダニも予防してくれるおやつタイプ

お腹の中の虫も同時に駆虫できる利点もあります。ノミやマダニの予防効果も背中に垂らす薬よりも効果的です。

②フィラリア予防とお腹の中の虫の駆虫をする従来型のおやつタイプ

長く使用されてきた実績のある薬です。

どうしても薬が飲めない犬には他の選択肢も用意しています。

松江市におけるフィラリア予防


フィラリア予防薬は非常に安全な薬で、数倍〜数十倍の量を与えても大抵の犬には悪影響は出ないほどです。けれども例外的にすでにフィラリアに感染している犬には重い副作用を生じることがあるため、血液検査を行って現在感染していないことを確かめる必要があります。

持続性注射薬によるフィラリア予防薬は当院では現在採用しておりません。
万が一フィラリアに感染してしまった場合も様々な治療法がありますのでお問合せ下さい。

 

③狂犬病予防接種

狂犬病予防接種は国が定めた義務があります。人間社会を守るための大切なワクチンです。


 狂犬病の予防接種は犬を飼う全ての方に義務として定められたものです。日本は数十年にわたって狂犬病の発生のない国であり、飼っている犬が狂犬病になる危険性はほとんどありません。けれども万が一、海外から狂犬病が侵入した際に犬を介して日本国内に蔓延することを防ぐために、すべての犬に接種する必要があります。
 狂犬病予防接種は生後91日で接種義務が生じます。混合ワクチンとの順番については悩ましい点ですが、詳しくはお問い合わせ下さい。基本的に4〜5月の接種が行政によって指導されていますので、成犬はこの時期に接種して頂ければと思います。
 松江市に在住の方であれば当院で狂犬病接種から登録まで行えます。松江市から届いたハガキをお持ち下さい。また、初めての狂犬病予防接種であれば、ハガキ等は必要ありません。狂犬病予防接種も可能であれば午前中の接種をお勧めします。
 他の地域から転入されて来た場合は新規の場合を除いて変更の手続きが必要です。この手続きは動物病院では出来ませんので松江市であれば松江市環境センター内リサイクル都市推進課(TEL:55-5279)までご相談下さい。
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狂犬病予防接種のみを目的に来院された場合は集合注射の料金に準じた料金となります。狂犬病予防接種は国民に課せられた義務であり任意のものではありません。病気で予防接種が困難な場合は証明書を提出する必要があります。

④ノミ・ダニ予防

4月から11月くらいの予防を最低限推奨しています。可能であれば通年で予防することがお勧めです。特に最近ではマダニが人のSFTSウイルスを媒介する危険性が言われています。


犬の皮膚に食いついたマダニ

 特に暖かい季節になるとノミやダニなどの外部寄生虫の寄生が増加します。
マダニは草の上などで犬が通りかかるのをじっと待っており、素早く犬に乗り移ると適当な場所に移動して顎を皮膚に埋込んで数日から2週間かけて吸血します。マダニは吸血に際して不要な成分を吐き戻すため、結果としてマダニ体内の病原体が犬に注入されます。これによってバベシア症などの恐ろしい病気が媒介されることがあります。
 犬に食いついているマダニを慌てて引っ張ると頭が皮膚に残ったまま千切れてしまい後々に膿んできたり、またマダニが潰れた際に人間にとっても有害な病原体が排出されたりします。マダニを見つけてから対処したのでは、バベシア症などの危険を回避することは出来ません。そのため、後で述べる予防薬の使用が大切となります。ヒトに対してもライム病などの伝染病を媒介することが知られていましたが、最近ではSFTSウイルス(重症熱性血小板減少症候群ウイルス)を媒介することが話題になっています。人が発症した場合、致死率が10%を超えるウイルスと言われています。犬が家にダニを拾ってくるというのは避けたいところです。

イヌノミ

 ノミは気温が13℃を超えると繁殖が可能となります。ノミは縦に平べったい形状をしており、これは犬の毛の間を動き回るのに適しています。ノミが吸血するとノミの唾液によって全身に激しい痒みが生じます。そのため、少数の寄生でも激しい皮膚炎を起こす事があります。また、ノミの寄生数が少ない場合、動物病院で調べてもノミの存在を証明できないこともあります。
 ノミは瓜実条虫というサナダムシを媒介することでも知られています。そのため、飼い主様がノミを見つけて爪でつぶすなどの行為は大変危険です。これによってサナダムシの卵を飛散させる可能性があり、人間に感染する危険性が生じます。
 ノミ、ダニの予防については現在のところ下の2種類の薬剤を採用しています。
①ノミとマダニを1カ月間防ぐおやつ製剤(推奨)。

おやつタイプの薬で月に1回食べさせます。ノミやダニが落ちるまでのスピードも早く、最も推奨しています。つける薬で毛がゴワゴワしたり、皮膚が荒れたりするのが気になる犬や、頻繁にシャンプーをする犬にお勧めしています。フィラリアも同時に予防できるタイプもあります。

②ノミ成虫、ノミの幼虫と卵、マダニ、ハシラミに効くスポットオン製剤(背中につける薬)。

長く使われてきて信頼性の高い薬です。現在ジェネリック製剤のみ取り扱っています。

詳しくはお問合せ下さい。

ホームセンター等でノミダニ駆虫剤が似たような外見で販売されていますが、効果も安全性も低いものが大半ですのでご注意下さい。

 

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